日米関税交渉で合意した5500億ドル(約84兆円)の対米投融資を巡り、米国で現地時間12日開かれた第1号案件の閣僚協議は合意に至らず、決着は持ち越しとなった。合意を急ぐ米側と、採算性を重視する日本側の溝はなお深く、「関税合意以上に国益をかけたタフな協議になっている」(赤沢亮正経済産業相)。日本側は3月の日米首脳会談での公表を念頭に置くが、せめぎ合いは続きそうだ。
「(政府系金融機関を通じ)税金を使う以上、ハイリスク・ハイリターンなものはない」。赤沢氏は記者会見でこう語り、採算性を慎重に見極めて合意の是非を判断する考えを強調した。
日米は昨年7月に関税交渉で合意。同12月以降、案件を調整する「協議委員会」を5回開いた。交渉関係者によると、人工ダイヤモンドなど案件は絞り込まれてきたという。ただ、融資の貸付金利やスケジュールなど、事業の設計や資金調達の条件が固まらず、折り合えなかったもようだ。
支持率低迷に悩むトランプ米大統領は日本からの投融資を巡る協議で早く合意し、実績をアピールしたい考えとみられる。別の交渉関係者は「米側は『早く』と言い続けている」と話しており、トランプ氏がいらだちを募らせれば関税引き上げに動くリスクもある。日本側は焦る米側をなだめつつ、参画する企業の利益や政府系金融機関の損失回避にも配慮した合意を目指す方針だ。
【時事通信社】
2026年02月13日 20時30分
administration