高市首相、原油高で先手アピール=予算裏付け・対策規模焦点に



中東情勢混迷のあおりで東京市場が「トリプル安」に見舞われる中、高市早苗首相がエネルギー価格高騰対策を検討する方針を打ち出した。国民生活への打撃を和らげるため、高市政権として迅速に対応する姿勢をアピールした形だ。野党からは思い切った対策を求める声が上がっており、予算の裏付けや対策の規模が焦点となりそうだ。

「多くの国民が心配だと思う。即座に打つべき対策について先週前半から検討に入っている」。首相は9日の衆院予算委員会の集中審議で、2026年度予算案の在り方を再検討するよう求めた中道改革連合の赤羽一嘉副代表にこう表明。「遅すぎることなく対策を打つ」と力説した。

首相は3日の段階では「直ちに電気・ガス代の支援延長を判断する段階にはない」などと対策の検討に慎重だった。前向きな姿勢に傾いたのは、中東情勢混迷の長期化が看板政策の「強い経済」づくりに水を差し、政権の足を引っ張りかねないと懸念を強めたためとみられる。

政府筋は「まだ頭の体操。何も決まっていない」と実情を明かす。しかし、木原稔官房長官は9日の記者会見で「首相が衆院予算委で述べたように、原油調達先の拡大やガソリンなどの価格安定に向けた対応を検討するなど、既に内閣として動いている」と「先手」の取り組みを訴えた。

今後の焦点は予算の裏付けや対策の内容・規模だ。中道は衆院予算委で、26年度予算案の今年度内成立を断念し、追加の物価高対策を暫定予算案に盛り込むよう要求。首相は「当初予算にないものは暫定予算に入れられない。リスクへの備えとして予備費がある」と拒否し、1兆円の予備費を盛り込んだ予算案の早期成立への協力を求めた。

野党からは抜本的な対策を求める声も上がる。国民民主党の玉木雄一郎代表はX(旧ツイッター)で「イラン情勢も踏まえて消費税率を8%にすべきではないか」と訴えており、この日も「スタグフレーション(不況下の物価上昇)の危機が迫る。局面は変わった」と強調した。超党派の「社会保障国民会議」のテーマとなる食料品の消費税率ゼロの議論とも絡み、与野党の議論が活発化しそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕衆院予算委員会で答弁する高市早苗首相(手前)=9日午後、国会内 〔写真説明〕記者会見する木原稔官房長官=9日午後、首相官邸 〔写真説明〕衆院予算委員会で質問を聞く高市早苗首相(右)。左は片山さつき財務相=9日午後、国会内

2026年03月10日 07時06分


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