
全国で災害関連死を含む死者・行方不明者が2万2230人に上り、戦後最大の自然災害となった東日本大震災は11日、発生から15年を迎えた。津波で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島各県の沿岸部には、冷え込みの激しい早朝から犠牲者を悼む人の姿があった。
岩手県大槌町の江岸寺。同町の会社員佐々木崇文さん(75)は、弟=当時(58)=の墓前にかじかむ手を合わせた。役場職員だった弟は公務中に犠牲となった。「会議をせず避難してほしかったな」と振り返り、「みんな元気でやっているよ」と墓石に声を掛けた。
宮城県気仙沼市の波路上杉ノ下地区では、母を失った佐藤一夫さん(72)がこいのぼりを掲げた。15年前の4月、がれきだらけだった同じ場所で「住民が明るい気持ちになれるように」と掲げて以来。青空を背に、風を受けて悠々と泳ぐこいのぼりの下で、「自宅も仕事も失い、必死に生きてきた。やっと、また掲げてみようという気持ちになれた」と目に涙を浮かべた。
24人が犠牲になった福島県富岡町。駐車場の水たまりに氷が残る海岸に、サーファーの姿があった。公務員の男性(55)はこの海で、波乗り仲間を失った。「追悼の意味で来た。15年は長いような短いような。富岡の復興はまだ半ばだ」と海を見つめた。
【時事通信社】
〔写真説明〕慰霊碑前で手を合わせる人たち=11日午前、福島県浪江町
〔写真説明〕東日本大震災で亡くした親族の墓に手を合わせる佐々木崇文さんと弘子さん夫婦=11日午前、岩手県大槌町の江岸寺
〔写真説明〕15年ぶりに掲げられたこいのぼり。左は宮城県気仙沼向洋高校旧校舎=11日午前、宮城県気仙沼市
2026年03月11日 12時23分