局面打開へ「対イラン封鎖」=油価、米経済にもろ刃の剣―核問題で譲歩迫る



【ワシントン時事】トランプ米政権は13日、イラン港湾に出入りする船舶の航行を阻止する「対イラン封鎖」に踏み切った。原油輸出による同国の収入源を断ち、核開発問題で難航する協議の局面打開を狙う。だが、封鎖に伴う供給逼迫(ひっぱく)で原油高が長期化すれば、米経済が打撃を被るもろ刃の剣となっている。

◇停戦下の圧力

米軍は13日、「15隻以上の艦艇」(米メディア)をイラン沖合に展開し、封鎖を開始した。米軍などによると、イランの港や沿岸部に出入りする船舶を監視し、ペルシャ湾やオマーン湾、アラビア海での航行を制限。許可なく封鎖海域を通航した船舶は進路変更の強制や拿捕(だほ)の対象となる。

中東には既に、米軍の空母や海兵隊を乗せた強襲揚陸艦、駆逐艦などが集結。封鎖突破を試みるイランの石油タンカーに対し、航路変更を迫るほか、特殊部隊を乗艦させて制圧することが可能だ。トランプ大統領はイランの高速艇が接近すれば撃退すると警告している。

◇我慢比べ

パキスタンで11、12両日に行われた米イラン協議は、同国のウラン濃縮活動を巡って折り合いが付かず、合意は成立しなかった。

米国内世論の反発を懸念し、地上部隊投入をためらう中、トランプ氏が圧力のカードとして選択したのは「海上封鎖」だった。背景には南米ベネズエラでの成功体験がある。タンカーの拿捕で原油輸出を締め上げ、同国は反米から対米協調へと路線を転換。トランプ氏は対イラン封鎖は「ベネズエラと似たものになる」と語っている。

一方、イランのガリバフ国会議長は「すぐに4~5ドルのガソリン価格が懐かしくなるだろう」と述べ、米軍の封鎖が原油供給を一段と逼迫させ、米国内のさらなるガソリン価格上昇を招くと警告する。イランがホルムズ海峡の封鎖解除に応じる見通しはなく、双方が経済的影響をにらみながら「我慢比べ」を続ける構図だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕13日、ペルシャ湾を航行する船舶(AFP時事)

2026年04月15日 07時22分


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