
自民党で議員グループの動きが活発化している。裏金事件をきっかけに派閥が厳しく批判され麻生派以外は解散したが、党は2月の衆院選に圧勝。派閥ではなくグループなら活動の環境が整ったと判断したようだ。高市早苗首相(党総裁)が「1強」状態となる中、秋に想定される人事や来年9月の総裁選を視野に影響力を確保する狙いがある。
「まとまった勢力は、人事や総裁選で力を発揮する」。旧二階派の武田良太元総務相が発足させた「総合安全保障研究会」のメンバーは、こう強調した。
各グループは旧派閥がベースとなっているものと、そうでないものに大別される。武田氏のグループは前者で、旧二階派を中心に20人超が参加。旧派閥と同じく毎週木曜昼に集まって弁当を食べながら意見交換し、選挙応援や新人教育にも取り組む。尾崎正直官房副長官や中野英幸総務政務官ら旧二階派の若手は国土強靱(きょうじん)化の勉強会を設置した。
旧安倍派では萩生田光一幹事長代行が西村康稔選対委員長と共に呼び掛け、同志だった中堅・若手20人程度と定期的に会合。これとは別に、稲田朋美元防衛相や福田達夫元総務会長ら約20人もたびたび集まっている。旧茂木派の茂木敏充外相、旧岸田派の岸田文雄元首相、林芳正総務相もそれぞれ若手らと会合を重ねる。
派閥に基づかないグループでは、石井準一参院幹事長が声を掛け、同党参院会派101人のうち40人超が派閥横断的に集まった。小林鷹之政調会長は昨年の総裁選で自身を支えたメンバーとの連携を維持している。
首相はこうした動きを警戒しているようだ。複数の関係者によると、旧二階派や参院のグループのメンバーに「これは何なの」「どういう狙いなの」とただしたという。「食事会が苦手」と公言するが、4月に入って麻生派会長の麻生太郎副総裁らと会食。衆院1回生でつくる「鹿鳴会」の会合にも姿を見せた。
首相は来年9月に党総裁の任期満了を迎える。衆目の一致する「ポスト高市」は見当たらないが、閣僚経験者は「長期政権になるかは五分五分。グループ化は総裁選を見据えた動きだ」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕自身が会長を務める「総合安全保障研究会」の初会合であいさつする自民党の武田良太元総務相=4月2日、国会内
〔写真説明〕「自由民主党参議院クラブ」設立について記者会見する石井準一参院幹事長=4月15日、国会内
2026年05月05日 07時23分