
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ新議長は22日、ホワイトハウスで宣誓し、正式に就任した。金融緩和を望むトランプ大統領の圧力や、パウエル前議長への刑事捜査が影響し、FRBの独立性は危機的状況。ウォーシュ氏が指導力を発揮し、金融政策の独立性を確保できるかが最大の焦点となる。議長の任期は4年。
ウォーシュ氏はトランプ氏から指名を受けただけに、利下げを模索するとみられる。過去には企業の人工知能(AI)導入による生産性向上でコスト低減が実現し、インフレ圧力が和らげば金融緩和が可能になると主張。4月の議会上院の承認公聴会では、AIが生産性に与える影響を検討すべきだと述べ、利下げに前向きな考えをにじませた。
FRBの保有資産規模については「慎重かつ段階的に小さくする」方針。米国債購入を通じた資産拡張によるマネー供給の増大は金融資産価格の押し上げを助長するとして批判的で、利下げの方が「より多くの人が恩恵を受ける」と唱える。
ただ、米イスラエルとイランの紛争に伴う原油高でインフレ高進懸念が広がっていることから、利下げは困難な情勢。FRBは金融緩和に慎重な「タカ派」色を強めているほか、トランプ氏でさえ早期利下げが難しいとの考えを示唆している。
ウォーシュ氏は金融政策の独立性維持に尽力するとともに、インフレ抑制に強い意欲を示している。当面は金融緩和に積極的な「ハト派」色を抑え、慎重な政策運営に徹するとの観測もある。
議長任期満了後もパウエル氏は理事として当面FRBに残留。FRB本部改修費用の膨張に絡んだ司法省による自身への捜査が完全に終結するのを見届ける。
【時事通信社】
〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)議長の承認公聴会に臨むケビン・ウォーシュ氏=4月21日、ワシントン(EPA時事)
2026年05月23日 07時03分