出生前診断、妊婦の1割超実施=10年余りで4倍に―成育医療研など大規模調査



胎児の染色体異常などを調べる出生前診断をした妊婦が、2023年に全体の11.5%に上ったことが、国立成育医療研究センターなどの研究チームによる大規模調査で分かった。実施率は、母体への負担が少ない採血による新型出生前診断(NIPT)が導入される前の11年は3.2%にとどまっており、この10年余りで約4倍に増加した。

センターの佐々木愛子医師らのチームが、23年までの過去20年間に検査解析を行った主要な5機関の約100万件のデータを分析。全国規模で検査の利用状況の動向を調べた。

それによると、NIPTは国内で始まった13年の7775件から23年は4万813件に増加。原則35歳以上としていた年齢制限が実質的に撤廃された22年からは倍増した。

一方、腹部から子宮内に細い針を刺して羊水を採取する確定検査は、03年の7811件だったのが、14年の1万6454件をピークに23年は5620件に減少した。胎盤の一部を採取する絨毛(じゅうもう)検査、血中成分からリスクを推定する母体血清マーカー検査も近年は減少傾向にあった。

NIPTは母体への負担が少ない上、年齢制限の撤廃により実施施設が拡大したことから、従来の検査に置き換わる形で普及したとみられるという。羊水検査は染色体異常の検出率が従来の約8%から20%に向上しており、NIPTなどでリスクが高いと判断された場合に利用する傾向が強まっているとした。

調査では日本産科婦人科学会の指針に基づかない無認定施設は十分把握できていないことから、研究チームは実際の利用はさらに多いとみている。「検査の利用状況が大きく変化している」とした上で、今後は適切なカウンセリング体制の整備などが重要な課題になると指摘している。

【時事通信社】 〔写真説明〕母親の指を握る赤ちゃん(写真はイメージ)

2026年06月02日 08時23分


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