広がる「プレコンセプションケア」=妊娠・出産、正しい知識を―若年期から、政府も推進



厚生労働省が3日公表した人口動態統計で、昨年の出生数は10年連続過去最少となった。少子化が加速する中、妊娠や出産などの正しい知識を持つ「プレコンセプションケア(プレコン)」が広がりつつある。若年期から人生設計を考える重要性が注目されている。

プレコンは2006年、安全な出産に向けた妊娠前からの医学的介入として米国で始まった。今では、性別や年齢を問わず性や健康の知識を持ち、将来設計や自己管理を行う包括的な概念とされている。18年以降、政府の方針にも盛り込まれてきた。

こども家庭庁の検討会は昨年5月、「若い世代で認知度80%以上を目指す」と掲げ、政府が5年間で取り組む計画を策定。自治体や企業、教育機関と連携して普及を図り、相談支援体制も充実していくとした。

若い世代には「ライフプランを考える上で、妊娠や健康に関する知識は極めて重要だ」と強調。妊娠のしやすさは年齢と関係することや、自身の生活習慣が次世代に影響する可能性を情報提供していくことも挙げた。

政府の「攻めの予防医療」に関する副大臣会議は先月、学校や企業などでのプレコン推進を提言。今夏策定される経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」にも反映される予定だ。

国立成育医療研究センターの三戸麻子プレコンセプションケアセンター医長は、15年ごろからカウンセリングや普及に携わってきた。国内の現状に対し、高年齢や痩せ過ぎ、肥満など高リスク出産が増え、性や生殖の正しい情報を理解し活用する「ヘルスリテラシー」が不足していると指摘。「国際基準の包括的セクシュアリティー教育の補完が必要だ」と話す。

三戸氏は「心身共に健康に生きることがプレコンの根幹で、若い世代や出産を望む人だけでなく、全ての人に大事だ」と強調。「正しい知識を発信し、リスクがあれば適切な医療につなげることは、新生児の健康や少子化改善にもつながる」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸で開かれた「攻めの予防医療」に関する副大臣会議の会合=5月25日 〔写真説明〕取材に応じる国立成育医療研究センターの三戸麻子プレコンセプションケアセンター医長=5月26日、東京都世田谷区

2026年06月04日 07時08分


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