
小泉進次郎防衛相が核政策や中国の動きを巡って踏み込んだ発言を続けている。厳しい安全保障環境に目を向けてもらい、防衛力強化に理解を促す狙いとみられるが、政府・自民党内からは外交上の影響を懸念する声も出ている。
「日本にとっては議論するのが難しい課題だが、触れざるを得ない一つは核だ」。小泉氏は17日配信のインターネット番組「言論テレビ」で、核戦力を増強するフランスの例などに触れ、タブーなき検討の必要性を訴えた。
24日の記者会見でその真意を問われ、年内に予定する安保関連3文書の改定に言及。「あらゆる選択肢を排除せず議論することが不可欠との趣旨だ」と説明した。「政府として非核三原則を堅持している」とも語った。
中国は反発した。外務省の林剣副報道局長は21日の会見で、「現職の防衛当局の責任者がこのような発言を行うことは日本の戦後史上、極めて異例で挑発的だ」と批判。国際社会は日本の「新型軍国主義」を警戒すべきだと主張した。
小泉氏はその中国の軍事動向についても発信を強めている。
中国海軍のミサイル駆逐艦などが19日に沖ノ鳥島(東京都小笠原村)沖を航行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内で射撃訓練を実施。小泉氏は20日、訪問先の英国南部ファンボローで行った講演でこの事実を公表した。
自衛隊関係者によると、同種の事案が確認されたことは過去にもあった。ただ、EEZ内の射撃訓練自体に国際法上の問題はないとして、公表していなかった。
今回はロシア軍艦艇が共同航行していた点も踏まえ、小泉氏の判断で公表に踏み切った。防衛省関係者は「中ロの軍事連携の進展に警鐘を鳴らす狙いだ」と話した。
これに対し、自民の閣僚経験者は「けん制のつもりかもしれないが、外交的なハレーションもよく考えなければならない」と指摘した。日中関係は高市早苗首相の台湾有事に関する昨秋の発言以降、緊張が続いている。
小泉氏の積極発信を巡っては、将来の自民総裁選を意識して保守派にアピールする思惑を感じ取る向きもある。「言論テレビ」は保守系の番組。外務省関係者は「中国をあおるような発言で巻き添えを食うのはこちらだ」とこぼした。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する小泉進次郎防衛相=24日、国会内
2026年07月27日 07時02分