冷房と水があっても熱中症リスク=疲労と暑さ、自覚なく汗も―医師「周りが気付いて」・熊本地震



熊本県の被災地ではいまだ6000人以上が避難所暮らしを余儀なくされている。酷暑の中、長引く避難生活に疲労も蓄積。冷房や飲料水が足りている避難所で熱中症で倒れる人もおり、専門家は「知らないうちに汗をかき、脱水状態になっている場合もある」と注意を呼び掛ける。

震度7を観測した氷川町の今田安雄さん(78)は地震直後、妻(71)と一緒に自宅近くの小学校に避難した。寝泊まりする教室には冷房が完備されていたが、避難4日目に倒れ、搬送先の病院で熱中症と診断された。「苦しくて息がうまく吸えず、頭が痛かった」と振り返る。

妻も避難7日目に体調を崩し、熱中症と診断された。今田さんは「水は小まめに飲んでいた。気を付けていたのに」と困惑した表情を見せた。

東日本大震災や10年前の熊本地震など多くの被災地で活動してきた日本赤十字社の植田信策医師は、避難生活の疲労に暑さが加わる中で自覚なく汗をかくことがあり、冷房や飲料水があっても熱中症は起こり得ると指摘。「水分を取っていても尿が減っていないか、気を付けてほしい」と強調する。

熱中症予防の基本である冷房と水分補給に加え、塩あめや経口補水液などでの塩分摂取も重要だと説明。顔が紅潮したり体温が上がったりする初期症状がある場合は、流水やバケツにためた水で手足を冷やすことが有効だという。

植田医師によると、夏に災害が起きると、1週間を過ぎたあたりから被災者の中に心筋梗塞や脳梗塞、心不全の患者が増える傾向がある。水分が不足しがちなことに加え、疲労が心臓に負担をかけるためで、「避難生活が長期化すれば健康被害のリスクが次々と出てくる。災害関連死を防ぐために、家族など周りの人が異変を見逃さないことが重要だ」と訴えている。

【時事通信社】 〔写真説明〕冷房設備のある避難所で過ごす被災者=3日、熊本県八代市 〔写真説明〕避難所で起こり得る熱中症について説明する日本赤十字社の植田信策医師=5日、熊本市東区

2026年08月07日 20時33分


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