進まぬ租特・補助金見直し=国債増発、予断許さず―消費税減税



政府は税制改正大綱で、来年度からの食料品消費税減税と給付措置に必要となる年約5兆円の財源を示さず、その具体策は年末の予算編成に見送った。大綱は「特例公債(赤字国債)に頼らず」確保する方針を示したが、財源候補となる租税特別措置(租特)や補助金の見直しは進んでいない。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の下、歳出圧力が高まる中、赤字国債の増発を回避できるかは予断を許さない。

企業などを特例的に税優遇する租特を巡っては、連立を組む日本維新の会が120件中65件の「即時廃止」を主張。7000億円超の捻出が可能と訴える。ただ、トランプ米政権にならった「日本版DOGE」による無駄削減の取り組みでは、各省庁の廃止判断は3件にとどまる。

補助金や基金も、各省庁が示した削減額は約20件で170億円程度。概算要求や税制改正要望では、逆に補助金や租特の拡充要望が相次いだ。片山さつき財務相は「ここからが腕の見せどころだ」と強調するが、今後の査定でどこまで切り込めるかは不透明だ。

毎年の補正予算で計上してきた約3兆円の物価高対策も見直し対象に挙がる。ただ、電気・ガス代補助などに使われており、削減は容易ではない。税外収入も外国為替資金特別会計の剰余金は防衛力強化の財源などに回り、活用余地は乏しい。

大綱には、減税で経営が圧迫される小規模農家や外食業界への支援も盛り込んだ。数千億円が見込まれ、必要経費はさらに膨らむ。また、来年度予算の概算要求額は143兆円超と過去最大となった。防衛費や成長投資など要求額を明示しない「事項要求」も多く、歳出がさらに数兆円単位で膨らむ恐れもある。

高市政権は市場の信認を維持するため、通年の新規国債発行額は前年度までと同水準の40兆円程度に抑える考えだ。好調な企業業績を背景に「かなり上振れする」(経済官庁幹部)見通しの税収増を当てにする。

減税など積極財政を賄う財源を十分に確保できず、国債の大量増発につながれば長期金利の上昇を招き、国債の利払い負担は一段と膨らむ。政権の財政運営は綱渡りが続く。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する片山さつき財務相=15日午後、東京都千代田区

2026年09月16日 07時29分


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