
【ワシントン時事】トランプ米大統領の今後の政権運営を左右する11月の中間選挙まで3日で1カ月。物価高や長期化する対イラン軍事作戦への不満を背景に、トランプ氏率いる与党共和党は逆風にさらされている。野党民主党が下院を奪還するとの見方が広がり、当初は共和党優位とみられていた上院でも多数派をうかがう。共和党の牙城を含む上院の接戦7州の行方がカギを握る。
トランプ氏は1日、南部オクラホマ州の選挙集会で「急進左派の民主党を打ち負かす」と強調した。選挙戦の終盤に向け、全米各地で自らてこ入れを図る意向だ。
共和党は現在、大統領職と上下両院を握る「トリプルレッド」の状態にあるが、両院とも民主党との差はわずか数議席。選挙分析機関クック・ポリティカル・リポートは、下院の22選挙区を接戦に位置付ける。接戦区の多くは共和党の現有議席のため、民主党が多数派を奪還する公算が大きくなっていると指摘される。
上院は情勢が流動的だ。全100議席のうち35議席が改選対象で、民主党が主導権を奪うには4議席の上積みが必要。ハードルは高いとみられていたが、クック・ポリティカル・リポートは最近になって接戦区を七つに増やした。
中には、共和党が40年近く議席を守る南部テキサス州や、次期大統領選の有力候補と目されるバンス副大統領の地元・中西部オハイオ州も含まれる。同党がこうした地盤州への資金投入を余儀なくされ、全米の選挙戦略に影響が及んでいる。
背景には、トランプ氏を取り巻く政治情勢の悪化がある。ロイター通信の9月下旬の世論調査で、同氏の支持率は32%と過去最低に落ち込んだ。2024年大統領選でインフレ抑制を公約に掲げて返り咲いたが、食料品など生活費への国民の不満は根強く、イラン作戦に伴うガソリン価格高騰が追い打ちをかける。
民主党にとっては有利な環境となるが、予備選では民主社会主義者ら急進左派が台頭し、党内の路線対立が表面化した。党内融和を図りつつ、物価高への不満を取り込み議席増につなげられるかが焦点となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕1日、米南部オクラホマ州で演説するトランプ大統領(AFP時事)
2026年10月03日 07時12分