
【ジャカルタ、クアラルンプール時事】インドネシア・カリマンタン島などで続く森林火災の影響が深刻化している。開墾のための野焼きが主な原因とみられ、消火作業は難航。強力なエルニーニョ現象に伴う乾燥も被害拡大に拍車を掛けている。
カリマンタン島やスマトラ島には、植物が十分に分解されないまま堆積してできた泥炭地が広がる。火が付くと地中の泥炭がくすぶり、消火が難しくなる。森林破壊を監視する独立系サイト「ヌサンタラ・アトラス」の推計によると、今年の火災は7月ごろに増え始め、8月までに東京都の面積の4倍以上に当たる約90万ヘクタールが焼失した。
火災は依然として続いており、当局は消火要員6万9000人や航空機約50機を投入して対応に当たっている。一方、国家災害対策庁の報道担当者はロイター通信に、「継続的な降雨が唯一の解決策だ」と述べた。
現地メディアは「ヘイズ」と呼ばれる煙霧で茶色がかった中カリマンタン州の街をマスク姿の人々が歩く様子を伝えている。保健当局によれば、同州などでの火災に伴う急性呼吸器疾患の患者数は13日までの約2カ月間で28万人を超えた。エルニーニョ現象に伴い雨期の到来も遅れ、今後も被害が広がる恐れがある。
ヘイズは周辺国にも届いている。マレーシアの首都クアラルンプールは連日空がかすみ、マスクを着ける人が目立つ。シンガポールとの間の航空便も一部が欠航したほか、南部ジョホール州などでは学校が休校を余儀なくされた。シンガポールでは、政府が関連する疾患の診療費を補助し、高齢者や妊婦にマスクを配布した。
マレーシア、シンガポール両政府はインドネシアに支援を申し出るとともに、対策強化を要請。東南アジア諸国連合(ASEAN)は11月中旬にマニラで開く首脳会合に合わせ、ヘイズへの対応を協議する方針だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕森林火災の消火に当たる消防士=8日、インドネシア・中カリマンタン州パランカラヤ(AFP時事)
〔写真説明〕「ヘイズ」と呼ばれる煙霧で茶色がかった景色を眺めるマスク姿の親子=12日、インドネシア・中カリマンタン州パランカラヤ(AFP時事)
2026年10月15日 20時30分