
埼玉県こども動物自然公園(同県東松山市)に7月、コアラ2頭が新たに仲間入りした。オーストラリアからの受け入れは同園では約10年ぶり。海外からの受け入れは国内コアラの遺伝的多様性を確保する面でも重要で、同園は繁殖に期待を寄せる。
2頭は2歳の雄「アーノルド」と3歳の雌「バブルス」で、8月下旬から公開が始まった。2頭は豪州のクイーンズランド州生まれで、同園によると、アーノルドは穏やかで比較的早く餌を食べ始めたが、バブルスはやや神経質で、環境に慣れるまで時間がかかったという。同園のコアラは2頭が加わり計9頭になった。
コアラは1984年に初来日した。日本動物園水族館協会によると、飼育数は97年に96頭でピークを迎えたが、その後は減り続け、2013年には35頭にまで減少した。その後は回復し、2025年末時点では、7施設で計61頭が飼育されている。
かわいらしいコアラだが、同協会によると、飼育目的は来園者に愛くるしさを楽しんでもらうためだけではないという。豪州では、山火事などで野生個体数が減っており、日本での飼育は生息地以外の国で飼育・繁殖させる役割も担っている。
ただコアラは生後1歳前後までに死亡する事例も多い。コアラ特有の感染症などが関係するとみられるが、原因が不明な例もある。主食であるユーカリの確保も欠かせず、同園では約7カ所から調達している。
国内で飼育数を維持するには、豪州から新たな個体を輸入し、遺伝的多様性を確保する必要がある。さらに国内の動物園が連携し、異なる血統の雄と雌をペアにして繁殖を目指すことも重要だ。野口幸子園長は「今回仲間入りした2頭は新しい血統になる。日本のコアラの未来を背負う存在になるので大事に育てていきたい」と意気込んでいる。
【時事通信社】
〔写真説明〕埼玉県こども動物自然公園にオーストラリアから新たに来園したコアラの雄「アーノルド」と雌「バブルス」=8月22日、同県東松山市
2026年10月19日 07時02分