
消費税減税関連法案は、財源や所得連動型給付の対象、支給額など重要項目を示さない異例の形で20日に審議入りした。高市早苗首相は「手取りが増える」などと政策効果を訴えるが、具体案については今のところ「参考」程度の説明にとどまっている。法案成立に向け、どこまで詳細が明らかになるのか見通せない。
首相は給付対象者数について、類似の制度を採用している米英仏3カ国の対象が現役就労者の3割程度であることを踏まえ、2000万人程度が「一つの参考」だと指摘。年収100万~350万円の層が当てはまると説明した。
消費減税とともに先行導入する給付制度は、税率1%分の年6000億円が原資。このため、1人当たりの支給額は、平均で年3万円の計算となる。
2年間の減税終了後、2029年度に本格導入する給付について首相は、「対象者の大宗は税率引き下げの効果を上回る支援を受けられる」と強調する。機械的にはじいた減税の恩恵は国民1人当たり3万6000円で、これも給付額の目安になる。
税・社会保険料の負担から児童手当などの給付を差し引いた「純負担率」の国際比較も、対象者や給付額の設計に反映される見通し。夫婦と子ども2人世帯の場合、年収510万円以下は純負担率が米独仏3カ国の平均を上回る。純負担額の差は最大で年27万円に上る。
一方、2年間で10兆円が必要な減税と給付の財源は、片山さつき財務相が「ギアを一段と上げて取り組む」と宣言した租税特別措置や補助金、基金の見直しなどで捻出する。
このほか、税外収入の上積みや外国為替資金特別会計の剰余金活用、近年の補正予算に計上した3兆円規模の物価高対策の見直しなどを検討。過去5年で平均6兆円を超える税収の上振れも候補に挙がるが、内訳は明らかにしていない。
ただ、高市政権は来年度、防衛費増額や成長投資などにも巨費を投じる計画。これらの予算額や財源確保にも不確定要素が多く、消費減税などの財源や給付の具体像は「年末に来年度予算案を決めるまで示せない」(財務省幹部)との声が漏れる。
【時事通信社】
〔写真説明〕国会議事堂=東京都千代田区(EPA時事)
2026年10月21日 08時29分