新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクや消毒液が各地で売り切れ、店頭で入手できなくなっている事態を受け、地方自治体がインターネット上で手作り方法を指南している。地元住民らの相談が相次いでいるためで、担当者は「自分で作れることを知ってほしい」と話している。
大分県健康づくり支援課は今月初旬からホームページ(HP)にマスクの作り方を掲載した。材料はガーゼ生地やマスク用ゴムで、使用後の消毒方法も記載。日本語以外にも、英語や中国語、韓国語で案内しており、訪日外国人にも配慮した。
2009年の新型インフルエンザ流行の際にも、マスク不足となったのを受け今回と同様の紹介をした。同課職員は「新型インフルの経験が生きた。マスクが手元にないと不安な方もいる」と説明する。
奈良県葛城市健康増進課でも、マスクの入手が難しいとの市民の声を受け、2月上旬に作成方法をHPに掲載。材料は100円ショップで入手できることも伝えた。同課は「手軽にできそうな方法を考え、職員が情報収集した」としている。
一方、マスクと同じく入手が困難となっている消毒液は、家庭用の塩素系漂白剤を水で希釈しても作ることができる。ドアノブやテーブル、椅子などを拭くことでウイルス除去が期待できるが、使い方を間違えると事故につながる恐れもある。
和歌山県御坊市や沖縄県宮古島市は、HP上に塩素系漂白剤を使った消毒液について、皮膚に直接触れさせない▽乳幼児の手の届かないところに保管する▽酸性の物と混ぜると有毒ガスが発生する恐れがある―などと注意喚起した上で紹介。御坊市の担当者は「和歌山県内で感染者が相次ぎ、市民の関心も高い。全世帯に同じ内容を記したチラシも配布している」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕大分県のホームページで紹介された手作りマスク(同県HP)
〔写真説明〕新型コロナウイルスの感染拡大の影響で品切れとなった薬局のマスク売り場=9日、東京都中央区
2020年02月27日 11時20分