27日の東京株式市場では、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に対する警戒感から投資家がリスク回避姿勢を一段と強め、全面安となった。日経平均株価は下げ幅が一時前日比581円まで拡大。終値は477円96銭安の2万1948円23銭と4営業日続落し、昨年10月11日以来およそ4カ月半ぶりの低水準となった。
新型肺炎拡大による世界景気の停滞を懸念し、海外投資家とみられる売り注文が止まらず、東証1部上場銘柄の95%が値下がりした。東京市場の取引時間中、米株先物が時間外取引で下げ幅を拡大したため、「世界的な株安の連鎖が続きそうだ」(国内運用会社)との見方から、売りを急ぐ動きが広がった。
日経平均の下げ幅は27日までの4営業日で計1530円に達した。株安の原因となっている新型コロナウイルス拡大の勢いは衰えておらず、「下げ止まりのめどを見つけにくい」(インターネット証券)と悲観的な声が上がっている。
27日の東京外国為替市場の円相場は、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、リスクが低いとされる円が買われ、一時1ドル=109円台に上昇した。午後5時現在は110円10~10銭と前日比37銭の円高・ドル安。
【時事通信社】
〔写真説明〕2万2000円を割り込んだ日経平均株価を示すボード=27日午後、東京都中央区
2020年02月27日 17時58分