一般社団法人 日本電子機器補修協会
【ロンドン時事】経営危機に陥ったスイス金融大手クレディ・スイスを、国内の長年のライバルUBSが買収することになった。クレディ・スイスの株価急落から買収合意までわずか4日のスピード決着は、スイス政府や金融当局が主導した「強制結婚」(スイス公共放送SRF)とも言え、課題を残したままの見切り発車となった。
◇会見は異例の光景
「内閣はUBSがクレディ・スイスを買収するという解決策を支持する」。首都ベルンで19日夜に開かれた緊急記者会見の冒頭、ベルセ大統領が発言し、1856年設立という歴史ある名門銀行の終えんを宣告した。
約1時間半に及んだ記者会見には、ベルセ大統領やケラーズッター財務相らスイスの政府、金融当局の代表と、両銀行の会長が並んだ。企業買収の発表としては異例の光景が、当局主導だったことを如実に示している。
クレディ・スイスの危機が一気に表面化したのは15日。筆頭株主であるサウジアラビアのサウジ・ナショナル・バンクが追加出資を行わないと報じられ、株価が一時30%超急落し、上場来安値を更新した。
スイス金融当局やスイス国立銀行(中央銀行)が相次ぎ支援を表明したものの、クレディ・スイスの不祥事体質や管理の甘さに対する市場の見方は厳しく、当局はUBSによる買収へとかじを切った。
◇「ゾンビ去り、モンスター出現」
スイス発の金融危機だけは避けたい政府や金融当局にとって、残された時間は週明けに市場が再開するまで。一時はクレディ・スイスの「国有化」の観測も流れたが、UBSによる買収について、両行が週末に取締役会を開いて対応を決めると一斉に報じられ、外堀は埋められた。公共放送SRFは「UBSもクレディ・スイスも望んでいなかった強制結婚」と伝えた。
UBSのケレハー会長は19日の会見で、「この統合はスイスの金融センターとしての未来を確実にするものだ」と、買収の意義を強調した。ただ、短時間での決着だっただけに、クレディ・スイスの経営危機の一因となった巨額の赤字体質について、分析する時間は十分に与えられなかった。
20日付のスイス紙ノイエ・チューリヒャー・ツァイトゥングは「ゾンビは去ったが、モンスターが出現した」と指摘した。巨大金融グループの先行きには従業員の雇用や事業・拠点の統廃合などを含め、難題が山積している。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見するスイスのベルセ大統領(中央)と、クレディ・スイスのレーマン会長(左端)、UBSのケレハー会長(左から2番目)=19日、スイス・ベルン(AFP時事)
〔写真説明〕握手するUBSのケレハー会長(右)とクレディ・スイスのレーマン会長=19日、スイス・ベルン(AFP時事)
2023年03月20日 19時20分
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