中国軍、台湾周辺で演習=「独立派」頼政権を威嚇―船舶の拿捕訓練も



【北京、台北時事】中国軍は1日、台湾周辺で同日から統合演習を始めたと発表した。習近平政権が敵視する台湾の頼清徳政権への威嚇を狙い、「台湾独立勢力への厳重な警告と封じ込め」を行うと説明した。中国海警局も、周辺海域での船舶の臨検や拿捕(だほ)の訓練実施を発表。台湾周辺での軍の本格的な演習は今年初めてで、2日以降も続ける可能性がある。

中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区によると、演習には陸海空軍と弾道ミサイルを扱うロケット軍が参加。空母も参加しているもようだ。台湾の北部、南部、東部の海域で、対地攻撃やシーレーン(海上交通路)封鎖などの訓練を実施しているという。

同軍区は、軍用機や軍艦が台湾を取り囲むイラストや台湾の都市部を攻撃するイメージ動画を発表した。

頼総統は最近、中国を「敵対勢力」と断言し、台湾統一を目指す中国側がこれに反発。中国当局は「独立派がレッドライン(越えてはならない一線)を突破すれば、断固とした措置を取らざるを得ない」と何らかの軍事行動を予告していた。

中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は、演習の目的を「頼当局の挑発への断固とした懲戒だ」とした上で、「台湾独立は戦争を意味する」と主張。台湾住民に対し、独立派と外国勢力に反対して台湾統一を目指すよう呼び掛けた。

一方、台湾国防部(国防省)は、1日午前以降に中国の戦闘機など延べ71機と軍艦13隻、海警船4隻が台湾周辺や西太平洋で活動したほか、空母「山東」を中心とする8隻が台湾南部から南東約400キロの海域に展開したと発表。「中国は国際社会最大のトラブルメーカーだ」と非難した。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国国営中央テレビがネット上で1日に公開した台湾周辺で行った軍事演習とされる映像 〔写真説明〕台湾軍が撮影した中国軍の空母「山東」=台湾国防部が1日提供、撮影場所不明 〔写真説明〕中国国営中央テレビがネット上で1日に公開した台湾周辺で行った軍事演習とされる映像 〔写真説明〕中国の習近平国家主席=3月28日、北京(EPA時事)

2025年04月02日 08時17分


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