
熊本地震で断層のずれが地表に現れる瞬間を熊本県八代市内の防犯カメラが捉えていた。映像を分析した鹿児島大の井村隆介准教授(地質学)によると、断層の隆起を捉えた映像は2025年のミャンマー地震以来、世界で2例目とみられ、「地震のメカニズムを分析する上で非常に貴重な資料」と評価している。
撮影された八代市では最大震度6強を記録し、全壊を含め約2500棟に被害が出た。映像では、揺れ始めて数秒後、田んぼや付近の住宅がせり上がる様子が確認できる。井村准教授によると、撮影現場の地表には縦、横合わせて約1.2メートルのずれが生じていた。
井村准教授は「地震波が先に到達し、数秒後に断層のずれが地表に伝わるといったメカニズムが視覚で分かる」と説明。活断層の真上や周囲では、地表のずれによって建物などに深刻な被害が生じることが確認され、防災を考える上でも貴重な資料になるという。
防犯カメラやドライブレコーダーの普及で、同様の映像が他にも記録された可能性があるが、ドラレコなどのデータは一定期間で上書きされることが多い。井村准教授は「断層のずれを捉えたような映像があれば、保存と提供をお願いしたい」と呼び掛けている。
今回分析された映像は、同市内の男性(46)が弟の経営する店舗の防犯カメラに残っているのを見つけ、短文投稿アプリに掲載。1週間で約400万回閲覧され、井村准教授の目に留まった。男性は「想像以上に拡散され驚いた。研究に役立てるなら何よりだ」と話している。
【時事通信社】
〔写真説明〕熊本地震で田んぼに現れた断層のずれ=18日、熊本県八代市
〔写真説明〕熊本県八代市内の防犯カメラに記録された、地震により断層が地表に現れる瞬間(写真上から下へ)=7月28日(住民提供、画像処理しています)
2026年08月24日 07時04分