ウナギの規制拡大案否決=日本の主張認める―ワシントン条約会議



【ロンドン時事】ウズベキスタンで開催中の、絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議は27日の委員会で、ニホンウナギを含むウナギ属全種を輸出入の規制対象に加える改正案を否決した。投票した締約国・地域の3分の2以上が反対。今回の提案が「科学的根拠の裏付けがない」などと発言した日本の主張が支持された格好だ。来月5日の本会議で正式決定する。

投票は無記名で行われ、143カ国・地域が投票し、賛成35、反対100だった。日本の食文化に深く根付くウナギの流通や価格に影響が及ぶ可能性があり、採決の行方に注目が集まっていた。

鈴木憲和農林水産相は委員会採決後に記者団の取材に応じ、政府として日本の立場を説明するため、会議の直前まで各国大使館を訪問したほか、期間中も現地での働き掛けを実施したと説明。「(今年8月に)横浜で開催したアフリカ開発会議(TICAD)の場というのは大変大きかった」とも振り返り、アフリカ諸国が一斉に反対に回ったことが否決の流れを決めたとの認識を示した。農水省は「多くの国から理解が得られた」と評価した。

〔写真説明〕ウナギの全種規制について議論するワシントン条約締約国会議の委員会=27日、ウズベキスタン・サマルカンド(ワシントン条約の公式ユーチューブより) 〔写真説明〕養殖場の水槽の中を泳ぐウナギ=10月10日、埼玉県上里町(AFP時事)

2025年11月27日 19時07分


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