2026年度の与党税制改正大綱に盛り込まれた、所得税の課税最低ライン「年収の壁」の178万円への引き上げで、減税の恩恵を大きく受けるのは中所得層だ。大和総研は、単身世帯または配偶者控除の適用を受けていない共働き世帯では、減税額は年収600万円の層で年3万7000円と最も大きくなると試算する。
大綱では、年収の壁を160万円から178万円に引き上げた上で、最大の基礎控除を受けられる対象を年収200万円以下から同665万円以下に引き上げる。これに伴い年収665万円に近い層の減税額が大きくなる。
一方、年収665万円を超えると基礎控除額が大きく減少するため、666万~671万円の層では665万円の層よりも手取りが少なくなる「逆転現象」も生じる。大和総研の是枝俊悟主任研究員は「新たな働き控えが生じることはないだろうが、望ましい制度設計ではない」と指摘した。
2025年12月20日 07時13分
administration