
健康被害が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」が沖縄県内の米軍施設周辺から検出されたことを受け、施設への立ち入り調査を求めた県の申請について、防衛省は19日、米側から許可しないとする回答があったと発表した。施設が汚染源だと示す明確なデータがないことなどを理由としている。防衛省は同日、県に内容を説明した。
対象の米軍施設は海兵隊の普天間飛行場(宜野湾市)とキャンプ・ハンセン(金武町など)、空軍の嘉手納飛行場(嘉手納町など)。周辺の河川などからPFASが検出されたことを受け、県は飲料水への影響を懸念し、2016年以降4回にわたって米側に立ち入りを申請してきた。
防衛省によると、米側は一連の申請について一括で回答。立ち入りを許可する条件として、サンプル調査の結果を日米双方が適切に評価できる環境基準や、米軍施設が汚染源だとする科学的根拠が明確なデータを示すことを挙げた。
県の申請にはこれらが示されておらず、採水や土壌の採取地点も正確に特定できないことなどを理由に、立ち入りを不許可とした。
一方で在日米軍は、PFAS汚染の最大の懸念は飲料水への影響だと指摘。立ち入り目的が飲料水の安全性の確認である場合、条件がそろえば認める可能性に言及した。防衛省は回答のあった日付を明らかにしていない。
【時事通信社】
〔写真説明〕住宅密集地にある米軍普天間飛行場(中央)=2023年10月、沖縄県宜野湾市
2025年12月19日 13時19分