トランプ離れが加速=関税訴訟・解説



米連邦最高裁がトランプ関税に「ノー」を突き付け、政権の暴走に歯止めをかけた。世界に衝撃を与えた看板政策は一転して無効となり、高関税を最大の武器とする「ディール(取引)」を自賛してきたトランプ大統領の政治的指導力が低下することは避けられない。秋の中間選挙に向け、関税収入を原資とした現金給付をてこに支持回復を狙う戦略にも狂いが生じる。第2次政権は発足から1年余りで大きな軌道修正を迫られた。

「米国解放の日」として相互関税が公表された昨年4月以降、日本を含む貿易相手国・地域は関税引き下げを求めて対米交渉に走った。米政権はその後も関税の対象を際限なく広げてきた。

タリフマン(関税の男)を自称するトランプ氏は貿易だけでなく外交問題にも関税を駆使してきた。唯一最大の「交渉カード」の効果は薄れ、戦略的競争相手である中国との協議に不利に働くのは必至。ロシアやその友好国に対する関税の脅しも効かず、ウクライナ和平合意が遠のく恐れさえある。

危機感を強める政権は、別の法律を持ち出して全世界への10%関税を打ち出した。世界一の経済大国としての威信を示し続けるために、トランプ氏が今後、想定外の手に打って出るリスクは依然として拭えない。

〔写真説明〕トランプ米大統領=13日、米ノースカロライナ州(EPA時事)

2026年02月21日 16時52分


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