「成長とインフレに高リスク」=中東紛争を懸念、新型AIで対策―G7財務相会議、声明採択



【パリ時事】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は19日、共同声明を採択して閉幕した。共同声明では、世界経済の現状について「中東紛争が続く中、世界経済の不確実性が成長とインフレのリスクを高めている」と懸念を表明。悪影響を軽減するためには「ホルムズ海峡の自由で安全な航行と紛争の永続的な解決が必須だ」と訴えた。

最先端の人工知能(AI)モデルを悪用したサイバー攻撃のリスクへの対応も推進。G7の専門家グループが情報共有を強化し、最適な対策を特定するとした。米アンソロピックがシステムの脆弱(ぜいじゃく)性を発見する能力が格段に高い「クロード・ミュトス」を開発したことを踏まえ、6月の首脳会議(サミット)に向けて具体的な対応策を取りまとめる。

日本からは片山さつき財務相と植田和男日銀総裁が出席。片山氏は閉幕後の記者会見で中東リスクについて「原油やLNG(液化天然ガス)を中東に依存するアジア地域への影響を特に注視している」と指摘した。議長国フランスのレスキュール経済・財務相は会見で「今回の危機は分断された世界において、国際対話を継続する必要性を示した」と強調した。

レアアース(希土類)を含む重要鉱物については、市場を支配する中国を念頭に「恣意(しい)的な輸出規制が世界のサプライチェーン(供給網)を混乱させている」と批判。同志国とも連携し、民間を含めた投資拡大やリサイクル、調達基準の導入を進めるとした。

足元では中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格高騰がインフレ懸念を高め、日米欧で長期金利が急上昇している。声明では「中央銀行は物価安定の維持に強くコミットしている」と強調した。

〔写真説明〕先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見に臨むフランスのレスキュール経済・財務相=19日、パリ

2026年05月20日 01時34分


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