カナダは、2022年に発表したインド太平洋地域でのプレゼンス拡大を目指す戦略の下、日本との関係強化に力を入れている。24年9月には、カナダ企業の日本進出を支援する輸出信用機関のカナダ輸出開発公社(EDC)が東京に日本拠点を設立。エネルギーや重要鉱物など幅広い分野で両国のビジネス関係強化を図っている。
6月下旬のカナダ貿易代表団の来日に合わせ、EDCのマネージングディレクターとしてアジア太平洋地域を統括するジョージ・モニーズ氏と、東アジア・オセアニア地域のリージョナル・バイスプレジデントを務めるマーク=アンドレ・セガン氏に話を聞いた。
―東京オフィス設立の狙いは
モニーズ氏
カナダのインド太平洋戦略に沿ったものだ。この地域には、重要鉱物やエネルギー、農産物などカナダが供給力を持つ分野で大きな需要がある。日本はルールに基づいたシステム、法の支配、社会の安定性、予見可能性など、カナダと価値観を共有する同志国であり、われわれにとって非常に重要な市場だ。カナダ企業の日本進出に向けた足掛かりをつくり、日本企業のカナダへの投資をサポートする目的もある。
―日本企業との関わりは
モニーズ氏
三菱商事や三井物産などの商社はカナダと長年にわたる関係を築いており、重要鉱物やエネルギー、液化天然ガス(LNG)などの事業を展開している。カナダ西部のLNG生産施設「LNGカナダ」への三菱商事の出資がその一例だ。農産品や食品の分野では、イオンと関係の初期段階にある。日本市場では高品質な商品が求められる中、イオンが取り扱う商品の幅を広げていることが背景にある。
カナダは、この市場に必要な資源や商品を供給できる。また、近年のエネルギー関連の資源不足からも、日本との連携や補完関係が重要だ。
セガン氏
イオンとは良い関係にあり、今年さらに関係が発展するよう期待している。また、クリーン技術を含めたエネルギー分野にも力を入れている。脱炭素化、先端製造業、人工知能(AI)などの分野でも連携を期待している。
重要鉱物やエネルギー分野など、両国はさらに貿易を拡大できる。日本の大企業によるカナダ投資には大いに成長余地があると考えている。
―今後の展望は
モニーズ氏
EDCは、日本企業の海外事業向け投融資を担う政府系金融機関である国際協力銀行(JBIC)と覚書を締結している。われわれの提携は日本とカナダだけに限定されるものでなく、他の海外市場で連携することもある。
セガン氏
モニーズ氏が述べたように、われわれは商社だけに注目しているわけではない。金融機関などとの関係をさらに深めたいと考えている。それが東京オフィスを開設し、日本チームの拡大を進めている理由でもある。
―日本や日本企業へのメッセージは
モニーズ氏
特に強調したいのは、カナダが日本との関係を非常に重視しているということだ。太平洋が隔ててはいても、両国の関係はより近いものとなっている。両国には互いに補完し合い、協力できる分野が数多くある。長年にわたり良いパートナー、友人でいてくれていることに感謝している。
セガン氏
さらなる関係発展に向け、われわれは長期的な視点で東京オフィスを設立した。2028年には両国の外交関係樹立100周年を迎える。深いパートナーシップを築き、両国間でさらに多くのプロジェクトを進めていきたい。
2026年07月03日 09時44分
economy