
政府が、中東情勢の悪化で調達不安が広がったナフサの備蓄の検討に乗り出した。かつては石油と同様に備蓄対象だったが、約30年前に廃止された。備蓄復活の要望は各方面から寄せられているが、保管方法やコスト負担など、課題は多い。
ナフサはプラスチック製品や塗料の原料となり、日本は約4割を中東から輸入する。約4割ある国産ナフサも原料は中東に依存する原油で、調達不安が深刻化。住宅・建設業界では塗料や溶剤の不足が相次いだ。
混乱を受け、赤沢亮正経済産業相は7日、ナフサ備蓄の検討を表明した。ただ、ガソリンに近い性質のナフサは揮発しやすく、長期保存が難しい。このため、経産省はペレットでの保管や、原料分の原油の追加備蓄を視野に入れている。
かつてのナフサ備蓄制度は、重いコスト負担を訴えた石油化学業界の要請を受け1993年に廃止された。しかし、今回の事態を踏まえ、石油化学工業協会の筑本学会長(三菱ケミカルグループ社長)は「日本として備蓄を持つ必要がある」と表明。その上で、液体での備蓄は「あまり現実的ではない」と指摘した。
保管方法を巡っては、誰がコストを負担するかという問題がある。政府は「できるだけ速やかに方向性を考える」(経産省)構えだが、石油業界からは「業界がまたがる話で簡単にはいかないだろう」との声も漏れる。
〔写真説明〕石油を精製してつくられるナフサのサンプル
2026年07月16日 07時20分