
政府は30日の経済財政諮問会議(議長・高市早苗首相)で、高市政権が新たに財政目標の中核に位置付けた国と地方の債務残高対GDP(国内総生産)比が2026年度は187.6%になるとの試算を示した。1月試算から1ポイントの悪化で、6月に成立した3兆円強の補正予算で赤字国債を増発したことなどが影響した。中東紛争の影響を踏まえ、GDP成長率も下方修正した。
最新の経済情勢を踏まえて、40年度までの成長率や財政収支などを試算。高市政権は「強い経済」の実現を目指し、同年度までの累計で370兆円超の官民投資を打ち出しており、27年度以降は実質年10兆円規模の追加支出も織り込んだ。
債務残高対GDP比は、成長率が加速すれば国債を一定程度増発しても改善に向かうとされ、試算では26年度に悪化後、投資効果を最も大きく見込んだ成長ケースでは40年度まで一貫して改善する。成長は実現するが、技術や市場の不確実性を織り込んだケースでは36年度まで改善した後は悪化に転じ、期待した民間投資を誘発しない「現状投影」ケースは32年度から悪化する。
一方、26年度のGDP成長率の見通しは、物価変動の影響を除く実質で前年度比0.9%(1月試算は1.3%)に下方修正、名目も3.0%(同3.4%)に引き下げた。27年度は実質1.1%、名目3.9%に伸び、40年度は成長戦略の成否によって実質で0.3~1.8%、名目で1.9~3.4%と成長率に幅が出ると見込んだ。
従来、財政目標として重視してきた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は、26年度は1兆2000億円程度の赤字と、1月試算(8000億円程度の赤字)から悪化。27年度は税収増などを背景に1兆4000億円程度の黒字に転じる見込みだが、食料品消費税減税の財源に税収の上振れ分を充てれば赤字に陥る可能性もある。
高成長が実現・維持できなかったり、物価高対策による財政負担が増したりすれば、借金の利払い費の膨張で財政が急速に悪化する恐れがある。
〔写真説明〕首相官邸で開かれた経済財政諮問会議=30日午前、東京・永田町
2026年07月30日 12時45分