スポーツに投資マネー流入=ファン置き去りに懸念も



【ニューヨーク時事】投資ファンドがプロスポーツチームなどに資金を投じる動きが、米国を中心に拡大している。動画配信の普及による収益性向上で価値が高まり、安定したファン基盤やチーム数が限られる希少性も投資家を引きつける。ただ、利益の最大化を重視するマネーが入り込み、ファンを置き去りにした商業化につながりかねないとの懸念も出ている。

投資・金融関連NPOの米CFA協会の調べでは、非公開企業への投資を手掛けるファンドは2019~24年、スポーツチームやリーグ、放映権事業などスポーツ関連資産に計550億ドル(約9兆円)超を投じた。

最近では、トランプ米大統領の娘婿の弟で投資家のジョシュア・クシュナー氏らが米プロバスケットボール協会(NBA)のレーカーズを125億ドル(約2兆円)で買収する見通しと報じられた。大リーグでも投資会社創業者らがパドレスを39億ドルで取得。サッカーでは、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏らがイングランド・プレミアリーグのリバプール親会社に出資することで合意した。

スポーツ特有の「ライブ視聴」には、ファンからの安定した需要があり、配信事業者による放映権の獲得競争が激化。人気チームの収益見通しは右肩上がりだ。会計大手アーンスト・アンド・ヤングは、チームなどへの投資によるリターンが、「(投資家が重視する米株価指標の)S&P500種指数などを大きく上回っている」と分析する。

一方、こうしたスポーツの過度の「投資商品化」には懸念も浮上。サッカーでは国際サッカー連盟(FIFA)がワールドカップ事業を管理する新会社を設立し、一部の株式を売却する構想を打ち出したが、各地域連盟などの反発で頓挫した。ファンドの関与が拡大すれば、「チケット価格の高騰や行き過ぎた商業化を招き、ファン離れを招く恐れがある」(調査会社)との指摘もある。

〔写真説明〕トランプ米大統領の娘婿の弟で投資家のジョシュア・クシュナー氏=2025年4月、ワシントン(AFP時事) 〔写真説明〕米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏=2025年6月、伊ベネチア(AFP時事) 〔写真説明〕国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長=7日、コロンビア・カリ(EPA時事)

2026年08月22日 14時31分


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