
【ワシントン、ニューヨーク時事】トランプ米政権は22日、カナダに対する50%の追加関税を発動した。一方、カナダのカーニー首相は21日夜、同規模の報復措置を講じると表明した。両政府は合意に向けぎりぎりまで交渉を進めたが、貿易協議は決裂。両国の通商摩擦が激しさを増す結果となった。
米通商代表部(USTR)は22日の声明で、「カナダによる新たな要求で、数日間で達した慎重なバランスが崩れた」と批判した。カナダが合意の最終決定を拒否したと明かした。
50%の追加関税の対象は、カナダから輸入する食料品や工業製品など、約200億ドル(約3兆1800億円)に上る。差別的な貿易措置に対抗する関税法338条に基づき関税を課すのは初めてで、貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に準拠する製品も対象に含まれた。
これに対し、カーニー氏は交渉決裂を受けて声明を出し、「労働者と企業を守るため、米国の関税と同規模の措置を取る」と強調。交渉に「重要な進展があった」としながら、「われわれの目標を達成するのに十分ではなかった」と説明した。
報道によると、カナダのルブラン対米貿易担当相は21日、米首都ワシントンのUSTRを再び訪問。鉄鋼・アルミニウムや自動車への米政権の関税引き下げや、カナダによる米国産酒類の販売禁止などを巡って、発動期限を前に断続的に協議を行ってきた。
米政権は7月、カナダによる自動車関税や、酒類の不買運動などに不満を示し、50%の追加関税を課すと表明した。ところがトランプ大統領は今月18日夜、発動間近だった50%の追加関税を土壇場で3日間見送った。理由について「カナダと米国の間で、文書の最終確定を条件に合意に至った」と説明していた。
〔写真説明〕カナダのカーニー首相=6月、オタワ(AFP時事)
2026年08月22日 16時35分