北朝鮮、「ポストロシア」を模索=米朝対話仲介に中国積極的―金大中氏三男弘傑氏



【ソウル時事】初の南北首脳会談を行った韓国の金大中元大統領の三男で、北朝鮮問題に詳しい金弘傑前議員が7日までに時事通信のインタビューに応じた。金氏は、北朝鮮はロシアとの緊密化により経済が好転しているものの、ウクライナ侵攻終結までの時限付きと認識していると指摘。「ポストロシア」を念頭に、中国、米国などとの外交多角化を模索しているとの見方を示した。

日中などに多くの人脈を持ち、対北朝鮮支援事業にも従事した金氏は「過去3年、ロシアから200億ドル(約3兆1700億円)を超える額が北朝鮮に入った」と強調。一方で、「ロシアとの今の関係が無限に続くわけではない。北朝鮮としては外交の選択肢を広げる必要がある」と説明した。

中朝関係に関しては「互いに疑心があるが、現状は双方が必要としている」と分析。中国は、自国で18~19日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に金正恩朝鮮労働党総書記が訪中するよう北朝鮮に働き掛けてきたという。従来、中国は米朝の接近に必ずしも好意的でなかったが、「北朝鮮問題でトランプ氏をサポートすることで、米中の交渉を有利にできるという計算がある」と解説した。

北朝鮮の出方については「APECぎりぎりまで『行く』と言わず条件闘争するのではないか」と指摘。「トランプ氏が退けば、正恩氏が直接交渉できる米大統領はなかなか現れない」と語った。共和党が惨敗した米中間選挙の結果は、外交だけでも実績を残そうと考えるトランプ氏がより譲歩する可能性が高まるため、北朝鮮にとり悪くはないとも述べた。

金氏によると、経済活性化に力を入れる北朝鮮では、約2年前から個人の自家用車所有が認められるようになった。企業が国庫納付分以外の余剰利益を自主的に使えるようにするなど、自由化措置も広がっているという。

国連安保理制裁は、ロ朝、中朝関係により形骸化しつつある。金氏は「北朝鮮の経済を発展させる上で最も大きな障害は、国連制裁よりも米国の金融制裁。国際的な金融ネットワークに入れないことにある。北朝鮮はその解除を望んでいるのではないか」と述べた。

〔写真説明〕インタビューに応じる韓国の前国会議員、金弘傑氏=10月30日、ソウル

2026年11月08日 07時48分


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