フジテレビは6日、元タレント中居正広氏の「性加害」に端を発した一連の問題を巡り、自社の対応を検証する特別番組を放送した。
番組では港浩一前社長ら当時の幹部に取材。テレビカメラを入れず批判を浴びた1月の最初の記者会見が、取締役の間で危機感が共有されず、ガバナンス(企業統治)も機能しないまま開かれていたなどの問題点を検証した。企業風土についても言及し、港氏が社長に就任する以前、タレントらを接待する会合用に若い女性社員の選抜チームをつくっていたことや、大多亮元専務が女性アナウンサーを「上質なキャバ嬢」と呼んだなどの証言も明かされた。
一方、約40年にわたり経営に携わり続けた日枝久氏は取材に応じなかった。その権力の源泉について、遠藤龍之介元副会長は「最も影響力がある人事権を持っているから」と発言。遠藤氏は、1月の2度目の会見前日に本人に辞任を迫ったが、断られたことも明かした。
清水賢治社長は番組内で、視聴者や広告主、取引先の他、被害者である同社の元女性アナウンサーに「大変申し訳ない」などと重ねて謝罪。その上で「あしき慣習や文化を一掃し、一切の聖域を許さない覚悟を持ち、改革を進めている。厳しい目で改革を見届けてください」と語った。
〔写真説明〕フジテレビ本社=東京都港区(AFP時事)
2025年07月07日 08時17分