容認表明までに時間と手続き=検証、公聴会、意識調査―柏崎原発・新潟県



東京電力柏崎刈羽原発の再稼働是非を判断するまでに、新潟県は福島第1原発事故の検証、公聴会や県内の全市町村長との意見交換、意識調査の実施など、さまざまな手続きを進めてきた。

県は泉田裕彦元知事時代の2012年3月、県の技術委員会に福島第1原発事故の検証と総括を要請。技術委は20年10月、地震・津波対策や発電所内の対応、情報伝達のあり方など10項目133件の課題を抽出した報告書を公表した。

後任の米山隆一前知事が追加した「健康と生活に与えた影響」「安全な避難方法」に関する検証も22年までに取りまとめられ、翌23年に「三つの検証」を総括した報告書が公表された。

花角英世知事はこうした報告書に加え、再稼働の判断材料として、今年8月までに、県内全30市町村長と意見交換をしたほか、県民の意見を聞く公聴会を開催。9月には原発から30キロ圏内の9市町村の住民らを対象とした意識調査も実施した。また、11月に入ると、柏崎刈羽、福島第1の両原発を視察するなどした。

一方で、市民団体が約14万人の署名を集めて請求した県民投票条例案については今年4月、県議会が否決。花角知事も「二者択一では県民の多様な意見を把握できない」と慎重意見を付けていた。

花角知事は21日の記者会見で「丁寧なプロセスを踏んできたと思っている。多くの県民の声、思いをできるだけうかがうところに力を入れた」と振り返った。

〔写真説明〕東京電力柏崎刈羽原発(奥)に近い住宅地=2024年8月撮影(AFP時事)

2025年11月22日 09時31分


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