
【ヨハネスブルク時事】高市早苗首相は23日(日本時間同)、南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の最終日の討議で、重要鉱物の安定供給に向けた連携を呼び掛けた。閉幕後、記者団の取材に応じ、焦点だった中国の李強首相との接触に関し「会話する機会はなかった」と明らかにした。
高市首相は重要鉱物の安定供給が「世界経済の発展に不可欠だ」と強調。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制を念頭に「重要鉱物の輸出管理について国際社会の懸念が高まっている」と指摘し、「精錬・加工を含む供給源多角化が喫緊の課題だ」と述べた。
供給網の過度な集中を避けるよう訴え「強靱(きょうじん)で信頼できる重要鉱物サプライチェーン(供給網)の構築に向け各国が連携して取り組む必要がある」と語った。
一方、台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るとした高市首相の国会答弁に中国が反発する中、サミットに参加した日中の首相の対話があるかが注目された。首相は記者団に対し、「中国との対話にオープンだ。扉を閉ざすようなことはしていない」として、今後もハイレベル対話を模索する考えを表明。中国に対し「主張すべきことは主張していく」とも強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕20カ国・地域首脳会議(G20サミット)2日目の会合に臨む高市早苗首相=23日、南アフリカ・ヨハネスブルク(AFP時事)
2025年11月23日 23時11分