「生きているべきと思わず」=山上被告、初の本人質問―安倍氏銃撃公判・奈良地裁



奈良市で2022年、安倍晋三元首相を手製銃で殺害したとして、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判の第10回公判が20日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、初の被告人質問が行われた。同被告は冒頭、「(45歳まで)生きているべきだとは思わなかった。このような結果になってしまい、大変ご迷惑をおかけしているので」と語った。

山上被告が発言するのは、10月28日に開かれた初公判以来。罪状認否で同被告は「全て事実です。間違いありません」と述べ、殺人罪を認めていた。

質問は弁護人が行い、被告の幼少期から尋ねた。山上被告は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を信仰する母親について問われると「基本的に悪い人間ではないが、統一教会に関わることは理解し難いことが多々あった」とし、「あれほど多額の献金がなければよかった」と述べた。

弁護側の冒頭陳述によると、同被告は15年に兄が自殺したことをきっかけに、旧統一教会に打撃を与えようと決意。教団幹部への襲撃を果たせず、教団に親和的な姿勢を見せている政治家の一人として安倍氏を狙ったとした。

公判の最大の争点は刑の重さで、教団が同被告に与えた影響をどう判断するかが焦点となっている。これまでの公判には同被告の母親と妹が出廷し、幼少期の家庭環境を証言した。被告人質問は12月4日まで計5回行われる予定。

【時事通信社】 〔写真説明〕被告人質問に臨む山上徹也被告=20日、奈良市(イラスト・松元悠氏)

2025年11月20日 18時09分


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