
交際していた女性に他人の前科情報を漏らしたとして、さいたま区検は26日、国家公務員法(守秘義務)違反罪で、さいたま地検の阿南健人検事(35)を略式起訴した。さいたま簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。法務省は阿南検事を懲戒免職に、当時の上司2人を厳重注意にした。
さいたま地検によると、阿南検事は静岡地検沼津支部に勤務していた昨年6月20日ごろ、女性とトラブルになっていた人物の前科情報を専用端末から入手し、女性に手渡した。
阿南検事は結婚していることを隠して女性と交際していた。地検の調べに「頼りになる人物だと感じてほしかった」「許されることではなく、深く反省している」などと供述したという。
関係者によると、阿南検事はマッチングアプリで女性と知り合った。さいたま地検に異動後の今年10月下旬に女性から情報提供があり、検察当局が調べていた。
最高検の山元裕史次長検事は「検察に対する信頼を大きく損なわせるもので極めて遺憾。国民の皆さまに深くおわびする」とコメントした。また、26日付で全国の高検・地検に対し、綱紀の保持に万全を期すよう求める通知を出した。
〔写真説明〕さいたま地検=さいたま市浦和区
2025年12月26日 18時17分