
事件の高度化や専門化、地方の人口減少などに対応するため、警察庁は2日、警察組織の構造改革指針をまとめ、全国に検討を進めるよう通達した。都道府県警の枠を超えて設備や人材を広域運用することや、警察本部と署の役割分担を弾力的に見直すことが柱だ。
楠芳伸警察庁長官は同日の定例記者会見で「(構造改革は)警察が将来にわたり、治安課題に対処できる組織であり続けるために避けて通れない」と強調。「指針を処方箋として、警察庁と都道府県警が緊密に連携し、一つ一つ着実に取り組みたい」と話した。
指針は特殊詐欺やサイバーなど事件の専門性、国際性の高まりと、少子化や過疎による厳しい採用環境を踏まえた治安体制の維持という課題に、改革の方向性を示して対応を促すことが目的。
都道府県の枠を超えた取り組みでは、複数の警察本部でヘリコプターをまとめて運用し、点検や整備による運休期間をなくすことや、大規模な科学警察研究所に高度な鑑定機材や専門人材を集約し、周辺県警からの鑑定依頼を受け付けるような形を想定する。警察学校での合同教育、ドローンや特殊班といった人員・機材配備の最適化も検討する。
警察本部と署の役割分担については、専門性の高い事件の担当を本部に集約。通常の事件・事故も発生が少ない署では初動対応に特化し、処理は本部などで担うことや、許認可業務、検視を本部で一括対応するなどの例を示した。近隣署での当直業務の一体運用や、交番、駐在所の在り方の見直しも課題に挙げた。
〔写真説明〕警察庁=東京都千代田区
2026年04月02日 12時14分