犠牲者278人の冥福祈る=県と全市町村共催の追悼式―熊本地震本震から10年



熊本地震の本震から10年となった16日、熊本県と県内の全市町村共催の追悼式が熊本城ホール(熊本市中央区)で開かれた。木原稔官房長官や遺族ら約250人が参列し、亡くなった278人の冥福を祈った。

式典では午前10時すぎ、参列者全員が1分間の黙とうをささげた。木村敬知事は式辞で「地震の記憶を決して風化させることなく、いつ起こるか分からない災害への備えとして確かな形で次の世代へと伝えていく」と力を込めた。

当時小学生だった高校生4人も誓いの言葉を読み上げた。蔵原一恩さん(17)は「震災から学んだ命の尊さと支え合いの大切さ、人と人とのつながりの力を胸に刻み、これからを生きていく」とした上で、「誰一人取り残さない社会、誰もが安心して暮らせる地域の実現に向けて歩み続けていく」と誓った。

9年ぶりに式典に参列したという桂悦朗さん(73)は災害関連死で父=当時(93)=を亡くした。「10年がたち、全壊した自宅を再建するなど生活に余裕ができたので参加した。家族思いだった父に元気で暮らしていると伝えたい」と話した。同じく関連死で父=当時(83)=を失った東京都の田中伸代さん(65)は初の参列。「東京では熊本地震は遠い話と感じられてしまう。参加できてよかった」と語った。

遺族代表の言葉は、遺族の負担を考慮し、2023年を最後になくなった。昨年に続き、式典前に遺族同士が交流する場が設けられた。県によると14人が参加したという。

追悼式はこれまで県が主催してきたが、記憶の風化を防ぎ、県全体の防災力を高めるため、今年は県内全45市町村との共催となった。震災当時に知事を務めた蒲島郁夫氏も出席した。

〔写真説明〕熊本地震10年犠牲者合同追悼式で黙とうする遺族ら=16日午前、熊本市中央区 〔写真説明〕熊本地震10年犠牲者合同追悼式で、黙とうする遺族ら=16日午前、熊本市中央区 〔写真説明〕熊本地震10年犠牲者合同追悼式で、誓いのことばを述べる蔵原一恩さん(手前右)=16日午前、熊本市中央区

2026年04月16日 18時02分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース