
北海道大などの研究チームは、カナダや北海道の白亜紀後期(約1億~7200万年前)の地層から採取された岩石から、タコのあごの化石を発見した。人工知能(AI)を用いた画像解析などから、肉食性のヒゲダコの一種で、体長は最大19メートルに及ぶと推定された。白亜紀の海で、食物連鎖の最上位をなす「頂点捕食者」である可能性が高いことも分かった。論文は24日、米科学誌サイエンスに掲載された。
過去4億年間、海では大型は虫類やサメなどの巨大な身体と高い運動能力を持った脊椎動物が頂点捕食者で、タコのような無脊椎動物は小型の中間捕食者と考えられてきた。また、骨がないタコやイカなどの頭足類は、あごなどごく一部を除いて化石に残りにくく、詳しい生態も分かっていなかった。
北大の伊庭靖弘准教授らは昨年、化石を含む岩石を薄く研磨してデジタル撮影し、再構成して3次元化する手法を開発。さらに、AIでタコのあごの化石を自動抽出し、表面の傷や摩耗痕なども詳しく調べた。
その結果、現在のヒゲダコに近い2種が見つかった。あごの大きさから推定される体長は2種のうち古い種で約3~8メートル、より新しい種は同7~19メートル。現生のダイオウイカ(最大約12メートル)より大きく、史上最大の無脊椎動物だった可能性が示された。
化石に残された痕跡から、かむ力が非常に強く、貝類や魚などを捕食していたことが示唆された。また、あごの摩耗が左右どちらかに偏っており、ヒトの「利き手」と同様、脳が高度に発達した生物の特徴があることも分かった。
〔写真説明〕白亜紀後期のタコのあごの化石の比較。Aは古い種(体長約3~8メートル)、Bはより新しい種(同7~19メートル)、Cは現生のダイオウイカのあご(北海道大提供)
〔写真説明〕化石から復元されたタコと、他の生物の体のサイズ比較(北海道大提供)
〔写真説明〕白亜紀の巨大なタコの復元画(宇津城遥平氏提供)
2026年04月24日 18時06分