
高市早苗首相が大型連休中に訪問を予定するベトナムで、外交演説を行う方向で調整していることが21日分かった。日本の外交指針である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を改め、重要物資のサプライチェーン(供給網)強化やエネルギー安全保障の拡大など、経済安保に一層重点を置く内容に刷新する。複数の政府関係者が明らかにした。
首相は2月の施政方針演説で、故安倍晋三元首相がFOIP構想を提唱して今年で10年を迎えるに当たり、同構想を「戦略的に進化させる」と表明。新技術を巡る覇権争いや地政学的な競争が激化していると指摘し、「各国が自律性と強靱(きょうじん)性を強化する必要性が高まっている」と主張していた。
FOIPは中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」と対を成すビジョンとして、法の支配や域内の連結性をアピールし、インド太平洋諸国に歓迎された。一方、近年は新型コロナの大流行や、中国による輸出規制、イラン情勢悪化による燃料不足の事態を受け、サプライチェーン途絶のリスクも顕在化してきた。
こうした経緯を踏まえ、首相は演説で、医療品や重要鉱物など戦略物資の供給網強靱化を訴えるとみられる。先に表明したアジア各国へのエネルギー支援枠組み「パワー・アジア」も、新構想をにらんだ動きといえる。
首相は5月初旬にベトナムとオーストラリア訪問を調整。両国首脳と会談し、イラン情勢や安保、経済連携の拡大を議論する見通しだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=21日、東京・永田町
2026年04月22日 08時17分