車内で自作メロディーを=ローカル線が権利販売―越中舟橋駅で放送開始・富山



駅に到着時、電車内で自作メロディーを―。富山県内を走る富山地方鉄道(富山市)が、車両内で好きな音楽を流す権利を販売している。沿線自治体から「観光資源をつくりたい」と提案を受けたことがきっかけで、1日から、越中舟橋駅(舟橋村)に到着した際、購入者オリジナルのピアノ曲が乗降客の耳を楽しませている。

富山地鉄は、富山市と県東部の宇奈月温泉などを結び、通勤・通学や観光に利用されている。近年は乗客の減少や設備の老朽化が進み、鉄道部門の2024年度の最終赤字は約8億3800万円。一部区間の存廃論も出ており、同社と舟橋村を含む沿線7自治体などが協議を進めている。

舟橋村は隣接する富山市のベッドタウンとして発展し、人口は約3300人。面積は東京ディズニーランド約7個分の3.47平方キロで、村としては全国で最も狭い。富山地鉄は、県庁所在市につながる唯一の公共交通機関だ。

村は昨年秋、「観光資源をつくりたい」と富山地鉄に提案し、同社も「少しでも明るい話を」との思いから、好きな音楽を流す放送権の販売を決定。今年1月、「越中舟橋駅・車内メロディクリエイト体験」として、25万円で販売が始まった。

曲は20秒以内で、既存楽曲のコピーや歌詞のあるものは禁止。4カ月間、全列車(平日123本、休日87本)が同駅に到着した際に流れる。購入者には放送権のほか、同社の車庫内部を撮影した写真もプレゼントされる。

最初の購入者は東京都杉並区のITエンジニアの男性(27)。男性は西武鉄道(埼玉県所沢市)沿線に住み、同社の車両が富山地鉄で再利用されていることから親しみを感じていたところ、SNSで取り組みを知った。放送されている約18秒のピアノ曲は舟橋村の田園風景をイメージして男性が作曲し、自ら演奏したものだ。

富山地鉄によると、第2弾についても企業から購入に向けた問い合わせがあるという。

村の本間浩司総務課長は「駅はにぎわいの拠点。今回の取り組みで興味を持ってもらい、実際に村を訪れてほしい」と期待。富山地鉄の担当者、下田恭平さんは「地域を盛り上げる珍しい取り組みで話題性がある。いろんな人に興味を持ってもらい、乗車につながってほしい」と話している。

〔写真説明〕越中舟橋駅を発着する富山地方鉄道の車両=4月22日、富山県舟橋村 〔写真説明〕富山地方鉄道で運行される、西武鉄道から譲渡された車両(富山地鉄提供)

2026年05月11日 14時30分


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