トランプ関税に再び「ノー」=徴収差し止め、提訴拡大も



【ワシントン時事】トランプ米政権の看板政策に、司法が再び「ノー」を突き付けた。国際貿易裁判所は7日、政権が停止した相互関税などに代わる全世界一律10%関税を違法と判断。ただ、差し止め命令は一部原告に限られ、全面的な徴収停止には踏み込まなかった。企業にとっては新たな関税措置の停止に道が開かれた形で、提訴が相次ぐ可能性がある。

「大統領は、議会から委任された権限を逸脱した」。貿易裁はこう強調し、米企業2社などへの関税徴収の差し止めを命令した。

米政権は、10%関税の理由として経常赤字などを掲げたが、貿易裁は、通商法122条が意図する関税の根拠とはなり得ないと判断。「政府の解釈が正しければ、数十年継続している赤字のたびに大統領が関税を課すことを認めることになる」と、主張を退けた。

同時期に提訴したニューヨーク州などについては影響が間接的だとして認めず、こうした原告が主張した関税の包括的な差し止め請求には立ち入らなかった。だが、米メディアは「他の企業がよりどころとする先例を確立した」と指摘し、同様の訴訟で企業側が有利な立場に立つとの見方を示した。

連邦最高裁が2月に下した相互関税の無効判断は政権に大きな痛手となった。従来の税率に戻すため、代替関税で時間を稼ぎ、7月下旬の期限までに、通商法301条に基づく関税に向け調査を急ぐ戦略だったが、判決から3カ月もたたずに代替関税も違法となった。

トランプ大統領は判断を受け、「何も驚かない。別のやり方でやるだけだ」と強弁。政権側は上訴する意向とみられる。それでも、同種の訴訟によって徴収停止や還付を迫られる可能性は高い。1660億ドル(約26兆円)に上る相互関税などは還付手続きが進んでおり、中間選挙を控える政権へのさらなる打撃は避けられそうにない。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領=7日、ワシントン(AFP時事)

2026年05月08日 20時30分


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