
トヨタ自動車は8日、2027年3月期の連結業績見通し(国際会計基準)を発表し、純利益は前期比22.0%減の3兆円を見込んだ。3期連続の減益となる。中東情勢の悪化を背景にした資材価格の上昇などが、営業利益を6700億円押し下げる見通し。トランプ米政権が発動した高関税も引き続き重荷となる。先行きの不透明感が強く、事業環境は厳しさを増している。
本業のもうけを示す営業利益は20.3%減の3兆円、売上高に当たる営業収益は0.6%増の51兆円を見込んだ。4月に就任した近健太社長はオンライン会見で、「(車の)原価低減に取り組んできた。それを生産性向上に結びつけていく」と説明。厳しい事業環境の中でも成長に向けた投資を継続する方針を表明した。
中東情勢を巡っては、原油や石油関連製品の価格上昇、同地域への自動車の輸出停滞などが懸念されている。燃料や資材費の上昇などのコスト増で4000億円、中東などでの販売台数の減少で2700億円の減益になると試算した。米関税の影響額は1兆3800億円と、26年3月期の実績と同額を想定する。
想定為替レートは1ドル=150円、1ユーロ=180円とした。対ユーロでやや円安に振れるため、2350億円の増益要因となる。
ダイハツ工業を含むグループ世界販売台数は、0.9%減の1118万台を見込んだ。27年3月期から日野自動車が連結対象から外れるため、微減となる見通し。ハイブリッド車(HV)が好調を維持する米国や欧州が増加する一方、国内はわずかに減少する。電気自動車(EV)は国内外で大きく伸びると見込んだ。
26年3月期の連結決算は、営業収益が5.5%増の50兆6849億円と過去最高を更新した。5年連続の増収で、日本企業では初めて50兆円を超えた。北米でハイブリッド車の販売が好調だった。純利益は19.2%減の3兆8480億円と、2期連続の減益。米高関税が利益を圧迫した。
近社長は「大きな環境変化の中でこれだけの利益を上げたのは、積み上げてきた取り組みの結果だ」と強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕オンライン決算説明会に臨むトヨタ自動車の近健太社長=8日
2026年05月08日 18時13分