液体燃料エンジンのみで最もコストが低い「30形態」での打ち上げ成功により、H3ロケットは能力と費用の異なる3形態が全てそろった。2014年の開発開始から10年にわたり開発責任者を務めた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史理事は「計画通りなら5年前に打ち上がっていたはず。5年越しの夢が実った」と語った。
固体補助ロケットを使わない30形態は、1本の鉛筆のような姿。推力は、液体2基と固体を組み合わせた最強型(24形態)や標準型(22形態)と比べてそれぞれ4割、6割程度だが、その分コストを削減できる。JAXAによると、それぞれ30形態より1.6倍、1.2倍かかるという。
岡田理事によると、開発当初から最もシンプルな30形態を基本とした。軽量で低軌道の地球観測衛星などは、当時のH2Aでもオーバースペックで、より低コストの30形態でカバーできると考えたためだ。
さらに、機体の主要部を共通設計とする「モジュール化」を指向。最終的に30形態のみ液体3基になったが、「30形態に固体補助ロケットを増やすことで能力を上げる」(岡田理事)考え方で、大型の衛星需要をカバーするとともに、コストダウンを図った。
当初から、衛星打ち上げ市場で事業としても継続できるかを意識してきたという岡田理事。「いろいろな能力に幅広く対応できるのがH3のチャームポイント。22、24形態に加え、もっと小さいロケットありますよ、値段も安いですよ、とお客さんに提案できるようにしたい」と話した。
技術面でも、液体エンジンのみでの打ち上げ技術獲得は「手札が増える」と指摘。「将来、再使用ロケットを開発する時にも使える」と期待を寄せた。
2026年06月13日 08時02分
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