
【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は11日、ユーロ圏の金融政策を協議する定例理事会を開き、2023年9月以来2年9カ月ぶりとなる利上げの実施を決めた。米イランの軍事衝突をきっかけとした原油価格高騰に伴う広範なインフレの加速に対抗。主要政策金利の一つで民間銀行がECBに資金を預ける際に適用する中銀預入金利を0.25%引き上げ、2.25%とする。
米国が2月末にイランを攻撃して以降、先進7カ国(G7)で利上げに踏み切ったのは初めて。世界的にインフレ懸念が強まる中、日銀も来週の金融政策決定会合で利上げを検討する。
ラガルド総裁は記者会見で、「直面する経済状況と不確実性を踏まえると、必要な決定だ」と強調。決定は全会一致だったと説明した。
ユーロ圏のインフレ率は3%を上回り、ECBの目標の2%を大きく超過。ラガルド氏は「経済全体で広範なインフレを確認し始めている」とし、「エネルギー高止まりが長引くほど、インフレ押し上げリスクが高まりかねない」と警告した。
また、今回の利上げは「予防的な措置ではない」とも強調。既に現実のものとなっているインフレを抑え込む意向を鮮明にした。ただ、今後の金融政策に関しては「動向を注視し、会合ごとに判断していく」と述べ、様子見姿勢をにじませた。
【時事通信社】
〔写真説明〕欧州中央銀行(ECB)本部で記者会見するラガルド総裁=11日、ドイツ・フランクフルト(EPA時事)
2026年06月12日 09時12分