代表支える同級生コンビ=準備に余念なし、勝利目指す―用具係の麻生さんと山根さん・サッカーW杯



【ナッシュビル(米テネシー州)時事】サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会で優勝を目指す日本代表には、裏方としてチームを支える同級生の2人がいる。かつて神奈川県の高校で共に学び、いまは用具係として、コンビを組む麻生英雄さん(50)と山根威信さん(50)だ。練習の準備からユニホーム洗濯、ロッカールームの片付けまで献身的に動き回り、選手の環境を整えている。

麻生さんはサッカー未経験ながらアルバイト情報誌をきっかけにサッカー界へ。1995年にJリーグ・横浜フリューゲルスで働き始め、97年に日本代表の用具係となった。初出場の98年フランス大会以降、日本が出場した全てのW杯に同行してきた。

同級生の山根さんも99年に代表スタッフ入りした。2人は小田原市の同じ病院で生まれ、誕生日も2日違いという縁の深さ。あうんの呼吸で選手をサポートしている。

用具係の仕事はボールの空気圧調整からフリーキック練習の壁役まで多岐にわたる。選手ら50人以上の移動着、練習着、ユニホームなど「えげつない量」(山根さん)の洗濯も大事な仕事だ。

試合日は特に忙しい。選手より先に会場入りすると、麻生さんはグラウンドにマーカーを並べるなどしてウオーミングアップの準備を手際よく進める。その間、山根さんはロッカールームの室温などを確認し、ユニホームを整えて選手を迎える、といった具合だ。

後半が始まれば、試合終了後に素早くチームが撤収できるように、道具をまとめたり、軽食を準備したりしなければいけない。「できるだけ早くホテルで休息を取らせたい」との思いがあり、試合をじっくり見る時間はほとんどない。

慌ただしく片付けをする2人を見て、控え選手らは「早く帰って休むぞ」と声を掛け合い、手伝ってくれる。ゴミ袋を手にした選手から「このままメディア対応に出たら好感度上がるでしょ」と冗談が飛ぶこともあるという。

3カ国16会場で行われる今大会で、日本代表の1次リーグの総移動距離は約7500キロにも及ぶ。麻生さんは「移動のストレスをいかになくすかが重要」と指摘。「積み重ねてきたノウハウを生かしたい」と意気込む。

「家族のお母さんのような安心感を与えられる存在になりたい」。こう語る山根さんは、睡眠時間が短くても、選手に心配をかけぬように疲れた顔を見せないようにしている。「優勝に向け何ができるか、常に考えて動きたい」と力を込めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるサッカー日本代表用具係の山根威信さん(左)と麻生英雄さん=3月18日、千葉市美浜区 〔写真説明〕サッカー日本代表用具係の山根威信さん(左)と麻生英雄さん=3月18日、千葉市美浜区 〔写真説明〕上田綺世選手(左)に替えのスパイクを渡すサッカー日本代表の用具係の山根威信さん=5月25日、千葉市美浜区 〔写真説明〕サッカー日本代表の練習の進行に目を配りながらボールを運ぶ用具係の麻生英雄さん=5月25日、千葉市美浜区

2026年06月12日 14時33分


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