1―2の九回。貧打に苦しむ広島が執念を見せた。懸命につないで好機をつくり、プロ14年目の菊池が値千金の2点適時打。劇的な逆転勝利をチーム全員でもぎ取った。
先頭のファビアンは巨人の大勢に2球で追い込まれたが、7球目まで粘って右前打。1死後に野間もフルカウントから左前打を放つと、さらに死球もあって1死満塁で打席に菊池。浮いた直球を中前に運び、2人を生還させた。「何とか戦力になれてよかった」
チームの打撃不振は深刻だ。決定力を欠き、前日まで3試合連続無得点、8試合連続で2得点以下。打順の組み替えなど打つ手は空回りし、菊池自身も打率2割台前半と低調だった。「みんな打ちたいと思っているし、投手だって抑えたいと思っている。その中でかみ合わない」と仲間の歯がゆさを代弁した。
着々と首位固めを進める阪神を2位で追う広島。「僕はいろんなことを試しながらやっている。気落ちして何もしていない(若い)選手がいれば声を掛けるし、逆に言えば僕はそうあってはならない」と菊池は言う。手本となるベテランの背中が、巻き返しの道を示す。
【時事通信社】
〔写真説明〕巨人に勝利し、喜ぶ広島ナイン。右から2人目は、逆転打を放った菊池=6日、東京ドーム
2025年07月06日 19時54分