女子テニスで世界ランキング110位の伊藤あおい(21)=SBCメディカルグループ=が29日に、カナダのモントリオールで行われているナショナルバンク・オープンのシングルス2回戦で世界9位のジャスミン・パオリーニ(イタリア)を2―6、7―5、7―6で破った。女子テニス協会(WTA)によると、伊藤がトップ10の選手に勝ったのは初めて。
相手は昨年の全仏オープンとウィンブルドン選手権で準優勝の強敵。「ぼろ負けしないようにと思った。自分らしいプレーができた」と、大きな勝利を喜ぶ。第1セットを落とし、第2セットも劣勢から挽回。相手のマッチポイントをしのぐと、しぶとく食らい付いてひっくり返し、最終セットはタイブレークの末に制した。
フォアハンドでスライスショットを多用する独特のプレースタイル。強打で押しまくる選手が多い中では珍しく、トップ選手を苦しめることもある。約2時間半の接戦を振り返り「(自分の)希少性が良かったんじゃないかな」。
昨秋に大阪で行われた木下グループ・ジャパンオープンで、ツアー本戦初出場ながら4強入りし、注目を浴びた。プレー中の笑顔に加え、相手選手やボールパーソンに対して丁寧にお辞儀する姿も人気を呼んでいる。
この勝利で、世界ランクは自己最高の100位を更新する見込み。8月24日に開幕する全米オープンに本戦から出場できる可能性もあり、さらなる活躍が楽しみだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕ナショナルバンク・オープンのシングルス2回戦でプレーする伊藤あおい=29日、カナダ・モントリオール(AFP時事)
2025年07月31日 18時03分