
勝ち取った勲章の重みを、何度もかみしめた。丸山は「メダルは思ったより重い。スキージャンプを続けてきてよかった」。心からの思いが口を突いた。
1回目に97メートルを飛んで3位だった。首位とは1.2点、距離換算で1メートルに満たない接戦。最後から3番目に飛んだ2回目、勝負どころで100メートルまで伸ばし、この時点で首位に立ちメダルを確定させた。
前回北京五輪代表の有力候補だった2021年10月、全日本選手権で着地の際に転倒。左膝前十字靱帯(じんたい)損傷などの大けがをし、目前にしていた夢舞台への出場を逃した。
失意のどん底の中、自宅で見た北京大会。同じけがから復活し、金メダルを獲得したボガタイ(スロベニア)に希望をもらった。「次の五輪へ、私は他の人より1年長く準備ができると思って頑張ろう」。心配して連絡をくれた明大時代の恩師、成田総監督にも「私は絶対に復活します」とすぐにメッセージを送った。
22~23年シーズンに復帰してからは、トラウマと闘った。着地しようとする瞬間、恐怖心がよみがえり、腰が引けてしゃがんでしまうことが増えた。それでも、心は折れない。「どんな日でも、飛べる時はジャンプを飛ぼう」。ジャンプ台に通うことをやめなかった。
今季は足裏の感覚を大事にして助走姿勢を確立させたことで、ワールドカップで初勝利を含む6勝を挙げるなど、大躍進を遂げた27歳。「このシーズンが始まるまで、ここまで来るとは私も想像していなかった。4年間、頑張ってきてよかった」。苦労を乗り越えた先には最高の景色が待っていた。
【時事通信社】
〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒルで銅メダルを獲得し、ジャンプ台を背に撮影に応じる丸山希(右から3人目)=7日、プレダッツォ
〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒルでメダルが確定し、高梨沙羅(右)らに祝福される丸山希=7日、プレダッツォ
〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒル、丸山希の2回目の飛躍=7日、プレダッツォ
〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒルの表彰台で記念撮影する、銅メダルの丸山希(右)らメダリスト=7日、プレダッツォ
2026年02月08日 09時16分