
4年前に競技続行か否かの岐路に立たされていた男が、銀メダルに輝いた。スノーボード男子ビッグエアの木俣。苦難を経験しながらも表彰台に立ち、「結果も自分の技も、マックスを出せてうれしい」と感慨に浸った。
1回目は背中側に踏み切って横5回転半する「バックサイド1980」を成功させた。2回目は通常と逆のスタンスで横に5回転半。3回目で木村葵に上回られて金メダルは逃したが、「これ以上にない滑りができた」と誇った。
前回の北京大会代表選考レース。直前のワールドカップ(W杯)で思うような成績を残せず、出場はかなわなかった。「実力はあった」と日本代表の西田崇コーチは言う。当時は縦と横の軸を組み合わせて回る技よりも、横軸のみの高回転技へのジャッジの評価が高まっていた。その変化への対応に苦しんでいたという。
代表入りを果たせず、「続けるのか、もう4年やるのか」と悩んだ。出した答えは続行。課題に取り組む姿に、西田コーチは「悔しかったと思うけど、次へという気持ちが強く感じられた」と振り返る。今大会の代表選考でも昨季終盤までは厳しい状況だったが、3月の世界選手権で優勝。今季も調子を落とさなかった。
西田コーチと研究者で行った心理診断では、木俣の性格は「芯が強くてぶれない、精神的に強い」と結論付けられた。それを証明する銀。木俣は「自分は逆境に強い」と言い切る。
試合後に語ったのは支えてくれた人への感謝。北京大会を目指した頃から今までを振り返り、「8年もメダルを待っていた人がいる。その人たちに見せられるのがうれしい」。やっと吉報が届けられる喜びをかみしめた。
【時事通信社】
〔写真説明〕スノーボード男子ビッグエア決勝、3回目の着地を決め喜ぶ木村葵来=7日、リビーニョ(ロイター時事)
〔写真説明〕スノーボード男子ビッグエア決勝、1回目の木俣椋真の演技=7日、リビーニョ
〔写真説明〕スノーボード男子ビッグエア決勝、3回目を終え喜ぶ木村葵来=7日、リビーニョ
〔写真説明〕撮影に応じるスノーボード男子ビッグエア金メダルの木村葵来(左)と銀メダルの木俣椋真=7日、リビーニョ
2026年02月08日 11時41分